私は社会保険労務士として経営者様の人事労務に関するコンサルティングを請け負っております。最近は「働き方改革」ということで年に年次有給休暇を最低でも5日は取得させないといけない、など様々な法改正があり、またその法律の内容も複雑で困っている経営者様も多いです。
法律も難しくなりましたが、使用者、労働省の間での紛争も複雑さを増してきました。中には裁判にまで発展してしまうケースもあります。私は、使用者と労働省のどちらも幸せになれる結果となるよう努めて経営者様のご相談に乗っているところです。或る大きな介護事業を営む法人様から「就業規則の改正」について助言、指導をお願いしたい、というお話をいただきコンサルティングしたことがあります。その介護施設では、就業規則はあるものの中身を改正することなく場当たり的に法人運用してきたため、規則の中身と実態が合っていない、という状況になってしまっているようでした。それが原因で法人側と労働者側で衝突も起きているで早急に就業規則の改正を行うようにしました。
就業規則は会社のルール、国家で言えば憲法のようなものです。そのルール自体がいい加減なものであればうまくいくものもうまくいきません。就業規則の中身を確認し、次に法人側に実態を聞くヒヤリングを実施しましたところ、まあヒドイものでした。例えば、規則に載っている「賃金手当」が実態と合っていないのです。規則では、ヘルパー2級保持者には資格手当~円、とあるのに実際にはその手当が扶養されていないとかです。最初に就業規則を作った際に、ネットでどこかの介護事業所の公開されている規則をただ拾ってきて、それをそのまま使っているようでした。
頭が痛くなってきました・・・。これらをひとつひとつ修正していき、就業規則に反映させていきました。そして最後に従業員への説明会を行いました。就業規則は従業員に周知して初めて効力を有するものだからです。この説明会が大変でした。従業員からしたら「じゃあ今までの就業規則は何だったんだ!?前の就業規則にはこう書いてあったのに、あれは違法だったのか!?」といった質問がバンバン飛んできました。それらにもひとつひとつ丁寧にお答えし、なんとか理解を得て就業規則の改正手続きを完了し、コンサルティングを無事終えました。その後は、改正後の就業規則の正しい運用がきちんとされるようコンサルティングを続けています。